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現地レポート

“相棒”とともに悲願の頂点へ RSS

2017年3月30日 12時08分

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 「JX-ENEOS 第30回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会2017(以下、ジュニアオールスター2017)」は最終日を迎え、記念すべき30回目のチャンピオンチームが決まる。
 決勝戦に先立って行われた女子の準決勝では、大阪府と長崎県が決勝戦進出を決めた。

前回大会でも決勝に進出した長崎県を引っ張るのは#5江村 優有選手だ。
切れ味鋭い1対1は相手を翻弄し、チームの得点の大半をたたき出す。昨日の準々決勝・兵庫戦では、チームの59点中41得点が#5江村選手のものだし、準決勝の愛知戦も58点のうち36得点を彼女が決めた。
「1対1はすべて決めてやる」という気持ちでプレイしているそうだが、あくまでも強い気持ちを出すのはディフェンスやルーズボールで、オフェンスは「普段やっていることを、そのまま出すことだけを考えています」と言う。

それでも前回大会と比べると、間違いなく切れ味は増しており、3Pシュートの精度も上がってきている。「(相手の)抜き方のバリエーションを増やして、方向転換の瞬間に脱力することを心がけている」彼女の1対1を可能にしているのは、ボールハンドリングを中心とした“ファンダメンタル”がしっかりできているからだろう。

抜群の攻撃力で長崎県を引っ張る#5江村 優有選手

それでも32分間、常に1対1で突破し続けようという精神力の強さは並大抵のものではない。#5江村選手の1対1を中心に攻めようと考えたのがコーチではなく、「なんとなく、そんな感じになった」と言う。それだけチームメイトからの信頼も厚いというわけだ。

むろん彼女中心のオフェンスは、一方で相手チームのかっこうの標的となる。毎試合、チーム随一のディフェンダーをつけられ、ダブルチーム、トリプルチームも当然のように仕掛けられる。準決勝の愛知戦でも、終盤にトリプルチームを仕掛けらる場面があり、そこでいくつかのターンオーバーを犯していた。
「ディフェンスが前から当たってきたときに、ひっかけてしまって相手ボールにしてしまいました。方向転換をもっとうまくしなければいけませんでした」
勝ってもなお、すぐに反省点を見つけるあたり、やはりチームの中心選手に相応しいメンタリティーを持っている。

そうは言っても、やはりチームは決して#5江村選手1人で勝ち上がってきたわけではない。#5江村選手が1対1をしやすいようにスペースを空ける動きをするほかの選手たちも、やはり長崎県には欠かせない。スペースを空けるだけでなく、156cmの#5江村選手からすれば、リバウンドで競ってくれて、ディフェンスで相手にハードなプレッシャーをかけて、自分たちのボールにするためには、やはりチームメイトの存在が重要になのである。

ディフェンスで相手チームを苦しめる長崎県#8松尾 優希選手

中でも#5江村選手の“相棒”ともいえるのが、#8松尾 優希選手だ。#5江村選手と同じ中学校に通う150cmのガードは、やはり前回大会でも1年生ながら存在感を示している。
昨年は2人で揃って暴れまわっていた印象があるが、今大会では#8松尾選手が一歩下がったところで#5江村選手を支えているようにも見える。

それだけに、#5江村選手も#8松尾選手のことを「ディフェンスで相手のポイントガードを止めてくれて、相手に行きかけた流れを止めてくれる。オフェンスでも自分が詰まったときに、バックカットなどをして合わせてくれて、しかもそれを決めてくれる」と信頼を置いている。

#8松尾選手も「(江村)優有がドライブをしようとしてディフェンスに囲まれたら、合わせて決めるのが自分の役割」だと言い、そのうえ、こう付け加える。
「優有がオフェンスで頑張って、点を取ってくれるので、私はディフェンスで役に立てるように頑張っています」」

これもまた、バスケットボール、チームスポーツの一つの形だろう。
オフェンスだけを見れば#5江村選手が突出しているようにも見える。しかしそれをディフェンスで支える“相棒”がいるからこそ、長崎県は絶妙なバランスを保って、2年連続の決勝進出を決めたのだ。

2人が今、思い描いているのは前回大会で経験できなかった優勝だけだ。
注目の女子ファイナルは、まもなくティップオフを迎える。

長崎県は昨年成し遂げられなかったジュニアオールスター制覇を、チーム一丸で目指す

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